WHAT IS BRANDING?

ブランドについて語ったり議論したりする際、ブランドに対する定義がそれぞれ違うため、議論が噛み合わなかったり、説明しても通じないというミスコミュニケーションが起こったという経験をした人もいると思います。では、ブランドとは何かというと、企業とお客さんとの接点を通して、お客さんに評価され、お客さんの頭の中に蓄積されていく価値のことです。

ブランドは、企業側とお客さんとの接点を通じ、五感によって体験することでしか感じることができません。

そのため企業側は、商品や売り場、オンライン上のコミュニケーション、店頭での接客など、様々なお客さんとの接点(=タッチポイント)において、ブランドの特徴やお客さんへの提供価値などを、一貫性を持って伝えていく必要があります。そうすることで、受け手のお客さんの頭の中にブランドが構築され、ブランドが育っていくのです。そのように、お客さんの頭の中にブランドを構築し、価値を高めて確固たる評価を得ていくことをブランディングと呼びます。簡単に言うと、ブランディング活動とはブランド価値を高める活動のことです。(「ブランディングが9割」青春出版社より)

ブランドは経済的な価値を生み出す

商品の価格は、単純にその商品の機能や質だけで決まるものではありません。

例として、スターバックスのコーヒーがドトールのそれよりも100円高いのに選ばれる理由を考えると、多くの人はスターバックスのブランドや雰囲気に対する「価値」を感じており、その「価値」の分だけ余分にお金を支払うことに納得しています。

このように、ブランドには独自の「価値」が存在します。これを「価格プレミアム」と呼びます。ブランド力が強い商品は、同じような商品と比較しても高価に設定されることができるのは、この「価値」の部分を消費者に伝え、納得させているからです。

したがって、ブランドを持つ企業にとっては、ブランディング活動を通じてその「価値」を継続的に築き上げ、消費者に伝えることが極めて重要です。

ブランディングとは
現実から理想に近づけていく作業

ブランディングは、ブランドの理想の姿に近づくための活動を指します。

この活動は、現状と理想のギャップを理解し、それを埋めるための策を立て、実行することでブランドの価値を高めるものです。目標は、消費者にブランドの真の価値を理解してもらい、共感してもらうこと。

ブランディングは、商品開発や広告だけでなく、全ての部門の活動や消費者の意識変革にも関わります。

成功するブランドは「こうすれば勝てる」が明確

「自社の強み」を生かし、「顧客のホンネ」を探り、「競合と差別化」できるところこそが、ブランド戦略の根幹となり、ブランドの提供する価値となります自社にとっては「こうすれば勝てる」というところです。

ブランドが提供する価値とは、わかりやすく言うと、ターゲットとなる顧客が「そうそうこんなのが欲しかったの」と思わず引き寄せられる、他社にできない自社ブランドならではの特徴を言います。

成功しているブランドは、「こうすれば勝てる」というブランドの提供価値がとても明確です。

ブランディングを行う流れ

ブランド価値を向上させるためのプロセスは、3つの主要ステップと8つの重要要素から構成されています。

  • ステップ1、調査・分析では、「自社分析」を通じて企業の特長を明確にし、「顧客分析」で顧客の本質的なニーズを理解し、「競合分析」で差別化ポイントを探求します。
  • 次に、ステップ2、ブランド戦略の策定では、「ブランドの目指す姿の構築」を通して、提供する価値を明確化します。
  • そして、ステップ3、ブランド戦略の実行においては、「ブランド要素」の確立を行い、その後、「言語開発」や「VI(ビジュアルアイデンティティ)」などのビジュアル開発を進めます。さらに「インナーブランディング」と「アウターブランディング」を用いて、ブランドの特性を社内外に広める活動を実施します。

この一連のプロセスを完了させた後、最終的な「効果検証」で取り組みの成果を評価し、戦略の最適化を図っていくことが、成功への道となります。